国保連合会の介護保険請求の処理日程

介護保険の請求事務でつまずきやすいのが、「請求したのに、なぜすぐ入金されないのか」という"お金の流れと日程"の感覚です。国保連(国民健康保険団体連合会)への請求は、サービス提供月の翌月に請求し、さらにその翌月にようやく支払われるという、約2か月遅れのサイクルで動いています。この日程感をつかんでおかないと、資金繰りの見通しが立てづらく、返戻(へんれい)が出たときの再請求も後手に回ってしまいます。

この記事では、事業所が国保連に請求してから介護給付費(総合事業費)が支払われるまでの処理日程を、タイムライン・各通知書の意味・基準日の注意点までまとめて解説します。請求事務の全体像から確認したい方は、まず介護保険事業者の請求業務にはどんな作業がある?と、請求の相手先である国保連とは?国民健康保険団体連合会の役割もあわせてご覧ください。

事業所の請求から介護給付費(総合事業費)支払までのタイムライン

事業所の請求から介護給付費(総合事業費)支払までの流れは以下のようなスケジュールになっています。サービスを提供した月の翌月月初に国保連請求してから国保連内での審査が行われ、さらにその次の月の月末にならないと介護給付費の支払いは行われません。

国保連請求から介護給付費支払までの処理日程
広 告

事業所の請求から介護給付費(総合事業費)支払までのやり取り

時期内容
サービス提供月の翌月の
1日~10日
請求受付期間
サービス提供月の翌月の
29日前後
審査結果通知の送付
・介護保険審査決定増減表
・介護保険審査増減単位数通知書
・請求明細書・給付管理票返戻(保留)一覧表
サービス提供月の翌々月の
19日前後
支払通知の送付
・介護給付費等支払決定額通知書
・介護給付費等支払決定額内訳書
・介護給付費過誤決定通知書
・介護給付費再審査決定通知書
サービス提供月の翌々月の
銀行の最終営業日前日
介護給付費の支払日

つまり、4月にサービスを提供した分は、5月1日~10日に請求し、5月末に審査結果、6月19日前後に支払通知、6月末に入金という流れになります。サービス提供から入金まで約2か月かかるのが基本サイクルです。

広 告

基本的な国保連請求のスケジュールとアクション

① 上記日程の「請求締切日:10日」「審査結果通知の送付:29日」「支払通知の送付:19日」は基準日ですので、土日祝の関係で月によって前後します。

「請求締切日」と「介護給付費の支払日」については、毎年3月(新規登録の事業所については国保連合会から別途)に翌年度の日程が送付されますので確認してください。請求の大部分はインターネットを通じた伝送で行われます。仕組みは国保連伝送とは?方法と介護請求ソフトの例で解説しています。

② 「審査結果通知」と「支払通知」は、伝送で届出をしている事業所へは伝送で、磁気媒体(CD-R)で届出をしている事業所へは郵送で送付されます。

③ 月末に送付される「審査結果通知」は、該当がなければ送付されません。「支払通知」の「介護給付費過誤決定通知書」「介護給付費再審査決定通知書」も、該当がなければ送付されません。

④ 「審査結果通知」は次回の請求に間に合うように送付されます。返戻となった明細書は修正を行い、請求受付期間中に再請求してください。減単位や返戻(保留)となった明細書については、関係の居宅介護支援事業所等と連絡・調整をしてください。

広 告

各通知書・審査結果の意味を押さえる

処理日程とあわせて、どの通知が「何を意味するのか」を理解しておくと、毎月の確認作業が速くなります。審査結果は大きく次の4つに分かれます。

審査結果意味
決定請求どおり支払われる
査定請求の一部が減額されて支払われる
返戻明細書・給付管理票に誤りがあり差し戻し。支払なし。修正して再請求が必要
保留明細書に誤りはないが給付管理票が未提出・返戻のため支払われない

「返戻」と「保留」は混同しやすいので、原因と対処法を介護保険請求の「返戻」と「保留」の違いとは?で整理しておくと安心です。審査の中身(事前チェック・一次チェック・資格チェック・上限チェック)の全体は国保連請求後の審査と支払までの流れで詳しく解説しています。

広 告

請求内容に誤りがあったとき・期限を過ぎたとき

請求後に誤りに気づいた場合は、保険者へ取下げ(過誤)を依頼して訂正します。手順とスケジュールは事業所の取下げ(過誤)依頼から国保連合会への再請求までをご覧ください。認定結果待ちなどで期限内に請求できなかった分は、月遅れ請求として翌月以降に請求します。なお、介護報酬を請求できる権利には時効があり、原則2年です(介護報酬の請求等の消滅時効について)。

広 告

この記事と合わせて読みたい関連記事

テーマポイント関連記事
請求事務の全体像毎月の請求作業の流れを一望介護保険事業者の請求業務にはどんな作業がある?
請求先の組織国保連の役割と仕組み国保連とは?国民健康保険団体連合会の役割
審査の中身事前・一次・資格・上限チェック国保連請求後の審査と支払までの流れ
返戻・保留差し戻しの原因と対処返戻と保留の違いとは?
誤りの訂正過誤依頼から再請求まで取下げ(過誤)依頼から再請求まで

2024年・2025年・2026年
介護保険・介護報酬改定の情報

令和6年~8年 地域区分(介護)区市町村の等級一覧(2024年4月~)

介護保険区分支給限度基準額一覧(要支援・要介護)

令和8年(2026年)介護報酬改定

令和8年(2026年)介護報酬改定後の介護保険サービスごとの介護報酬・単位数

介護保険の居宅サービス介護給付費単位数(対象:要介護)

地域密着型サービスの単位数改定内容

介護予防サービス(対象:要支援)

2026年(令和8年度)・2024年 介護報酬改定で特徴的な加算・制度

利用者負担軽減の仕組みの改定

補足給付(負担限度額認定)に関わる見直しは、以下のとおりです。

令和6年8月1日施行 基準費用額の見直し

令和7年8月1日施行 多床室の室料負担

令和8年8月1日施行 食費基準費用額の1,445円→1,545円、低所得者の食費負担限度額の段階別変更

あなたへのおすすめ