介護報酬、日常生活支援総合事業費の請求等の消滅時効について

「先月分の請求を出し忘れていた」「数か月前のサービス分をまだ請求していない」――こうしたとき気になるのが、いつまで請求できるのかという請求権の時効です。介護報酬や総合事業費の請求権、過払いの返還請求権には、それぞれ法律で定められた消滅時効があります。期限を過ぎると請求できなくなるため、請求事務では時効の年数を正しく押さえておく必要があります。
結論として、介護保険サービス事業者や介護保険施設が介護報酬を受ける権利は2年経過すると時効で消滅し、介護予防・日常生活支援総合事業費の請求については他に定めがない場合5年で時効により消滅します。期限内に請求できなかった分の具体的な手続きは月遅れ請求とは?できる条件・期限・手順で解説しています。
介護報酬の請求の時効は2年
介護保険において、事業者が受け取る介護報酬は、被保険者を代理して受領するという構成となっていることから、介護保険法第200条第1項の規定により2年です。つまり、サービス提供月を起点に2年を過ぎると、その分の介護報酬は請求できなくなります。
(参考)介護保険法第200条第1項
保険料、納付金その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、2年を経過したときは、時効によって消滅する。
介護予防・日常生活支援総合事業費の請求の時効は5年
介護予防・日常生活支援総合事業費は、市町村が実施主体であることから、地方自治法第236条第1項の規定により5年です。
(参考)地方自治法第236条第1項
金銭の給付を目的とする普通地方公共団体の権利は、時効に関し他の法律に定めがあるものを除くほか、5年間これを行わないときは、時効により消滅する。普通地方公共団体に対する権利で、金銭の給付を目的とするものについても、また同様とする。
過払いの場合(不正請求を含まない)の返還請求の時効は5年
過払いの場合(不正請求の場合を含まない)の返還請求の消滅時効は、公法上の債権であることから、地方自治法第236条第1項の規定により5年です。
(参考)地方自治法第236条第1項
金銭の給付を目的とする普通地方公共団体の権利は、時効に関し他の法律に定めがあるものを除くほか、5年間これを行わないときは、時効により消滅する。普通地方公共団体に対する権利で、金銭の給付を目的とするものについても、また同様とする。
過払いの場合(不正請求に限る)の返還請求の時効は2年
過払いの場合(不正請求の場合に限る)の返還請求の消滅時効は、徴収金としての性格を帯びることから、介護保険法第200条第1項の規定により2年です。不正請求にあたるケースや返還・指定取消しの事例は介護報酬の不正請求の事例で解説しています。
時効の年数まとめ
| 区分 | 時効 | 根拠 |
|---|---|---|
| 介護報酬の請求 | 2年 | 介護保険法第200条第1項 |
| 総合事業費の請求 | 5年 | 地方自治法第236条第1項 |
| 過払い返還(不正請求を含まない) | 5年 | 地方自治法第236条第1項 |
| 過払い返還(不正請求に限る) | 2年 | 介護保険法第200条第1項 |
時効に達する前に請求するためにも、請求漏れに気づいたら早めに対応することが大切です。期限後の請求方法は月遅れ請求、誤った請求の訂正は過誤依頼から再請求、毎月の請求スケジュールは処理日程をあわせてご確認ください。
時効の起算日はいつから数える?
介護報酬の請求権の時効は「2年」ですが、実務で重要なのは「いつから2年を数えるのか(起算日)」です。厚生労働省の取り扱いでは、介護給付費の請求権の消滅時効は、サービスを提供した月の翌々月の1日から起算します。
たとえば4月にサービスを提供した分は、6月1日が起算日となり、そこから2年(再来年の5月末まで)が請求できる期限の目安になります。請求し忘れに気づいたら、この期限内に月遅れ請求で対応します。
時効を過ぎて請求できなくならないための管理
介護報酬の消滅時効に関するよくある質問
介護給付費は、サービス提供月の翌々月1日から起算して2年以内であれば請求できます(月遅れ請求)。総合事業費は5年です。期限を過ぎると請求権が消滅します。
サービスを提供した月の翌々月の1日が起算日です。たとえば4月提供分は6月1日から2年を数えます。
過払い返還の時効は、不正請求による場合は2年、それ以外(算定誤りなど)は5年です。理由によって期間が異なります。不正請求の事例は介護報酬の不正請求の事例をご覧ください。
この記事と合わせて読みたい関連記事
| テーマ | ポイント | 関連記事 |
|---|---|---|
| 期限後の請求 | 時効前に請求し直す方法 | 月遅れ請求とは?できる条件・期限・手順 |
| 誤りの訂正 | 過誤依頼から再請求まで | 取下げ(過誤)依頼から再請求まで |
| 不正請求 | 返還・指定取消しの事例 | 介護報酬の不正請求の事例 |
| 処理日程 | 毎月の請求スケジュール | 国保連合会の介護保険請求の処理日程 |
2024年・2025年・2026年
介護保険・介護報酬改定の情報
令和6年~8年 地域区分(介護)区市町村の等級一覧(2024年4月~)
介護保険区分支給限度基準額一覧(要支援・要介護)
令和8年(2026年)介護報酬改定
- 令和8年度介護報酬改定 介護職員の給与を最大月1.9万円賃上げの内容
- 令和8年度版「介護職員等処遇改善加算」算定要件・配分ルール・計算方法
- 国保中央会運用「LIFE」2026年5月11日〜7月31日に移行作業しないと加算の継続算定できない
令和8年(2026年)介護報酬改定後の介護保険サービスごとの介護報酬・単位数
介護保険の居宅サービス介護給付費単位数(対象:要介護)
- 居宅介護支援費 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 訪問介護費 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 訪問看護費 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 訪問リハビリテーション費 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 通所介護費(デイサービス) 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 通所リハビリテーション費(デイケア) 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 短期入所生活介護費(ショートステイ) 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 居宅療養管理指導費 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 福祉用具貸与費 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
地域密着型サービスの単位数改定内容
- 地域密着型通所介護費(小規模デイサービス) 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 認知症対応型共同生活介護費(認知症グループホーム) 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 小規模多機能型居宅介護費 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
介護予防サービス(対象:要支援)
- 介護予防支援費 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 介護予防訪問看護費 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 介護予防居宅療養管理指導費 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 介護予防短期入所生活介護費 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
2026年(令和8年度)・2024年 介護報酬改定で特徴的な加算・制度
- 介護施設の協力医療機関とは?【2027年4月に義務化】
- 協力医療機関連携加算とは?単位数・算定要件・厚労省Q&A
- 高齢者虐待防止措置未実施減算の算定要件
- 【2026年版】科学的介護情報システム「LIFE」とは
- 個別機能訓練加算(Ⅰ)サービス種別ごとの単位数・算定要件
利用者負担軽減の仕組みの改定
補足給付(負担限度額認定)に関わる見直しは、以下のとおりです。
令和6年8月1日施行 基準費用額の見直し
令和7年8月1日施行 多床室の室料負担
令和8年8月1日施行 食費基準費用額の1,445円→1,545円、低所得者の食費負担限度額の段階別変更

