福祉用具貸与 実地指導確認項目及び確認文書一覧【2021年介護報酬対応版】

福祉用具貸与とは

介護保険の福祉用具貸与は、適切なケアマネジメントにより生活上必要とされた物品を、指定された福祉用具貸与事業者から貸与し使用することができる制度で、その品目は、厚生労働大臣が定める福祉用具貸与及び介護予防福祉用具貸与に係る福祉用具の種目 (平成11年3月31日・厚生省告示第93号)で定められています。

介護保険の福祉用具貸与の仕組み

介護保険の福祉用具は、要介護者等の日常生活の便宜を図るための用具及び要介護者等の機能訓練のための用具であって、利用者がその居宅において自立した日常生活を営むことができるよう助けるものについて、保険給付の対象としています。

福祉用具貸与とは、車いす・特殊ベッド・移動用リフト・歩行支援具などの福祉用具を、指定を受けた福祉用具貸与事業者から借りることができる介護保険のサービスです。

介護保険の福祉用具貸与では、利用者の身体状況や要介護度の変化、福祉用具の機能の向上に応じて、適時・適切な福祉用具を利用者に提供できるよう、貸与を原則としています。

実地指導とは

実地指導とは、介護保険事業者として指定を受けている事業者に対して、都道府県や市区町村などの担当者が介護保険サービス事業所へ出向き、適正な事業運営が行われているか確認することです。

実地指導とは 介護保険指定事業者の適正な運営を確認すること

福祉用具貸与 実地指導確認項目及び確認文書

厚生労働省は、介護保険の福祉用具貸与について、事業所が人員や設備、運営に関する基準を満たしているかどうか、自治体がチェックすべき標準的な「確認項目・確認文書」を公表しました。自治体に対し何か特別な理由がない限り、原則としてこれら以外の項目・文書の確認は行わないよう促しています。

確認項目及び確認文書

福祉用具貸与 個別サービスの質に関する事項の実地指導確認項目一覧

確認項目確認文書
設備及び備品等(第 196 条)
・平面図に合致しているか【目視】
・使用目的に沿って使われているか【目視】
平面図
内容及び手続の説明及び同意(第 8 条)
・利用申込者又はその家族への説明と同意の手続きを取っているか
・重要事項説明書の内容に不備等はないか
・重要事項説明書
(利用申込者又は家族の同意があったことがわかるもの)
・利用契約書
心身の状況等の把握(第 13 条)
・サービス担当者会議等に参加し、利用者の心身の状況把握に努めているか
・サービス担当者会議の記録
居宅介護支援事業者等との連携(第 14 条)
・サービス担当者会議等を通じて介護支援専門員や他サービスと連携しているか
・サービス担当者会議の記録
居宅サービス計画に沿ったサービスの提供(第 16 条)
・居宅サービス計画に沿ったサービスが提供されているか
・居宅サービス計画
サービス提供の記録(第 19 条)
・サービスの提供開始日及び終了日並びに種目及び品名、居宅介護サービス費の額等を記録しているか
・居宅サービス計画
・サービス提供記録
福祉用具貸与計画の作成(第 199 条の 2)
・居宅サービス計画に基づいて福祉用具貸与計画が立てられているか
・利用者の心身の状況、希望および環境を踏まえて福祉用具貸与計画が立てられているか
・福祉用具の利用目標、具体的な福祉用具の機種、当該機種選定理由等が明らかになっているか
・利用者又はその家族への説明・同意・交付は行われているか
・居宅サービス計画
・福祉用具貸与計画
(利用者又は家族の同意があったことがわかるもの)

福祉用具貸与 個別サービスの質を確保するための体制に関する事項

確認項目確認文書
福祉用具専門相談員の員数(第 194 条)
・福祉用具専門相談員の員数は適切であるか
・必要な資格は有しているか
・勤務実績表/タイムカード
・勤務体制一覧表
・従業者の資格証又は指定講習修了証明書
管理者(第 195 条)
・管理者は常勤専従か、他の職務を兼務している場合、兼務体制は適切か
・管理者の雇用形態が分かる文書
・管理者の勤務実績表/タイムカード
受給資格等の確認(第 11 条)
・被保険者資格、要介護認定の有無、要介護認定の有効期限を確認しているか
・介護保険番号、有効期限等を確認している記録等
利用料等の受領(第 197 条)
・利用者からの費用徴収は適切に行われているか
・領収書を発行しているか
・請求書
・領収書
運営規程(第 200 条)
・運営における以下の重要事項について定めているか
1.事業の目的及び運営の方針
2.従業者の職種、員数及び職務の内容
3.営業日及び営業時間
4.指定福祉用具貸与の提供方法、取り扱う種目及び利用料その他の費用の額
5.通常の事業の実施地域
6.虐待の防止のための措置に関する事項
7.その他運営に関する重要事項
・運営規程
勤務体制の確保等(第 101 条)
・サービス提供は事業所の従業者によって行われているか
・性的言動、優越的な関係を背景とした言動による就業環境が害されることの防止に向けた方針の明確化等の措置を講じているか
・雇用の形態(常勤・非常勤)がわかる文書
・研修計画、実施記録
・方針、相談記録
業務継続計画の策定等(第 30 条の2)
・感染症、非常災害発生時のサービスの継続実施及び早期の業務再開の計画(業務継続計画)の策定及び必要な措置を講じているか。
・従業者に対する計画の周知、研修及び訓練を実施しているか
・計画の見直しを行っているか
・業務継続計画
・研修及び訓練計画、実施記録
適切な研修の機会の確保並びに福祉用具専門相談員の知識及び技能の向上等(第 201 条)
・福祉用具専門相談員の資質向上のための福祉用具に関する適切な研修の機会を確保しているか
・研修計画、実施記録
衛生管理等(第 203 条)
・感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を講じているか
・感染症又は食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会を 6 か月に1 回開催しているか
・従業者の日々の感染罹患状況や健康状態を確認しているか
・感染症及び食中毒の予防及びまん延防止のための対策を検討する委員会名簿、委員会の記録
・感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための指針
・感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための研修の記録及び訓練の記録
秘密保持等(第 33 条)
・個人情報の利用に当たり、利用者(利用者の情報)及び家族(利用者家族の情報)から同意を得ているか
・退職者を含む、従業者が利用者の秘密を保持することを誓約しているか
・個人情報同意書
・従業者の秘密保持誓約書
広告(第 34 条)
・広告は虚偽又は誇大となっていないか
・パンフレット/チラシ
苦情処理(第 36 条)
・苦情受付の窓口があるか
・苦情の受付、内容等を記録、保管しているか
・苦情の内容を踏まえたサービスの質の向上の取組を行っているか
・苦情の受付簿
・苦情者への対応記録
・苦情対応マニュアル
事故発生時の対応(第 37 条)
・事故が発生した場合の対応方法は定まっているか
・市町村、家族、居宅介護支援事業者等に報告しているか
・事故状況、対応経過が記録されているか
・損害賠償すべき事故が発生した場合に、速やかに賠償を行うための対策を講じているか
・再発防止のための取組を行っているか
・事故対応マニュアル
・市町村、家族、居宅介護支援事業者等への報告記録
・再発防止策の検討の記録
・ヒヤリハットの記録
虐待の防止(第 37 条の 2)
・虐待の発生・再発防止のための対策を検討する委員会を定期的に開催し、福祉用具専門相談員に周知しているか
・虐待の発生・再発防止の指針を整備してい
るか
・福祉用具専門相談員に対して虐待の発生・再発防止の研修を実施しているか
・上記の措置を適切に実施するための担当者を設置しているか
・委員会の開催記録
・虐待の発生・再発防止の指針
・研修計画、実施記録
・担当者を設置したことが分かる文書

注 1)( )は指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成 11 年厚生省令第 37 号)の該当条項
注 2)指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令
(令和 3 年厚生労働省令第 9 号)附則により施行期日の定めがある事項に係る確認項目及び確認文書の取扱いは次のとおりとする。

「運営規程」のうち虐待の防止のための措置に関する事項、「業務継続計画の策定等」、「衛生管理等」のうち感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策に関する事項、「虐待の防止」
令和 6 年 4 月 1 日より適用(令和 6 年 3 月 31 日までは努力義務)

各事業ごとの実地指導(運営指導)での確認項目・確認書類一覧

介護保険の施設サービス

介護保険の居宅サービス