事業所の取下げ(過誤)依頼から国保連合会への再請求まで

「事業所の取下げ(過誤)依頼から国保連合会への再請求まで」というプロセスは、介護報酬の誤りを正確に修正するための重要なステップです。請求内容に誤りがあったまま放置すると、過大請求や返戻の温床になりかねません。多くの事業所にとって避けて通れない手続きであり、正確かつ期限を意識した対応が求められます。本記事では、過誤依頼のスタートから国保連合会に再請求するまでの一連の流れとポイントを、通常過誤・同月過誤の違いも含めてわかりやすく解説します。
過誤(かご)と似た言葉に「返戻」がありますが、両者は手続きが異なります。違いがあいまいな方は、先に過誤請求と返戻の違いとは?で整理しておくと、この記事の流れが理解しやすくなります。
過誤請求とは
過誤請求とは、間違えた内容を国保連請求してしまったことをいいます。確定済みの請求を取り下げ、正しい内容で請求し直すための仕組みです。
この場合、事業所は保険者(市区町村)に取り下げ依頼を行い、保険者が国保連に過誤申立をして誤りを訂正してもらった後に、正しい内容で再請求を行います。過誤の基本的な考え方や金額の訂正については過誤請求とは 国保連から受け取った介護報酬の金額訂正で詳しく解説しています。
事業所から保険者への取り下げ依頼があり、保険者が国保連合会に過誤申立を行うと、国保連にて過誤処理が行われます。過誤申立の翌月の19日頃に、国保連から事業所に「介護給付費過誤決定通知書」が送付されます。

通常過誤の場合
通常過誤は、いったん過誤決定で取り下げが確定してから、翌々月以降に再請求する方法です。「過誤申立の締切日:20日」「介護給付費過誤決定通知書:翌月19日」「受付締切日:翌々月10日」は基準日ですので、月によって前後します。一度支払額がマイナス調整されてから再請求分が支払われるため、入金のタイミングがずれる点に注意が必要です。
※過誤申立ての方法については、過誤該当請求明細書の保険者へお問い合わせください。
同月過誤の場合
同月過誤は、取り下げと再請求を同じ月に処理する方法で、支払額の大きな増減を避けたい場合に用いられます。「過誤申立の締切日:7日」「受付締切日:10日」「介護給付費過誤決定通知書:19日」は基準日ですので、月によって前後します。同月過誤に対応しているかは保険者によって異なります。
※過誤申立ての方法については、過誤該当請求明細書の保険者へお問い合わせください。
| 通常過誤 | 同月過誤 | |
|---|---|---|
| 取下げと再請求 | 別の月に処理 | 同じ月に処理 |
| 支払への影響 | いったんマイナス調整後に再支払 | 増減を相殺しやすい |
| 申立締切(基準日) | 20日 | 7日 |
請求内容の取り下げ・過誤請求は手順や期限を保険者に確認する
保険者によっては、事業所からの取下げ(過誤)依頼の締切日が決まっている場合がありますので、確認のうえ依頼してください。国保連合会の過誤申立締切日の直前に保険者へ取下げ(過誤)依頼をすると、手続きの関係で国保連合会への申立が翌月となることがあります。
通常過誤を実施した場合、再請求する際には必ず前月の「介護給付費過誤決定通知書」で取下げが完了したことを確認してください。過誤が決定されないうちに再請求すると、エラー(既に該当する介護給付費給付実績が存在しています)になり返戻となります。返戻になった場合の対処は返戻と保留の違いとは?を参考にしてください。なお、再請求にも消滅時効(原則2年)がある点には注意が必要です。
通常過誤と同月過誤の違い
過誤には「通常過誤」と「同月過誤」の2種類があり、最大の違いは支払額を相殺できるかどうかです。誤りに気づいたタイミングや、支払額の増減をどう扱いたいかで使い分けます。
| 通常過誤 | 同月過誤 | |
|---|---|---|
| 取下げと再請求 | 別の月に処理 | 同じ月に処理 |
| 相殺 | できない(いったん全額マイナス調整→後で再支払) | できる(取下げと再請求を相殺) |
| 再請求のタイミング | 取下げの翌月以降(同一審査月は不可) | 過誤処理と同じ月に必ず再請求 |
| 支払への影響 | 入金額が大きく増減する | 増減を抑えられる |
過誤申立の手続きの流れ
過誤は、事業所が直接国保連に申し立てるのではなく、必ず保険者(市区町村)を経由します。
過誤で失敗しないための注意点
過誤が必要になるのはどんなとき?
過誤(取下げ)が必要になるのは、すでに審査・支払が確定した請求に誤りが見つかったときです。審査前の段階であれば修正して再送信すればよいのですが、いったん支払まで確定してしまった請求は、そのままでは直せません。次のような場合に、過誤の手続きが必要になります。
過誤と返戻・保留の違いを整理する
請求の訂正に関わる用語は混同しやすいので、違いを整理しておきましょう。返戻・保留は審査の段階で国保連から差し戻されるもの、過誤は審査・支払が確定した後に事業所側から取り下げるものです。タイミングと、誰が起点になるかが異なります。
| 区分 | いつ | 起点 | 対応 |
|---|---|---|---|
| 返戻 | 審査で誤りが見つかったとき | 国保連 | 修正して再請求 |
| 保留 | 給付管理票が未通過のとき | 国保連 | 給付管理票を提出 |
| 過誤 | 審査・支払が確定した後 | 事業所(→保険者) | 取下げて再請求 |
返戻・保留の詳細は介護保険請求の「返戻」と「保留」の違いとは?、過誤と返戻の違いは過誤請求と返戻の違いとは?もご覧ください。
過誤処理が入金に与える影響
過誤を行うと、いったん確定した支払額が調整されるため、入金額に影響します。特に通常過誤では、取下げによって一度支払額がマイナス調整され、あらためて再請求分が支払われるため、その月の入金額が大きく変動することがあります。金額の大きい過誤を行う際は、資金繰りへの影響も見込んでおくと安心です。入金のタイミングを抑えたい場合は、相殺のできる同月過誤が使えるか保険者に確認します。毎月の入金スケジュールは国保連合会の介護保険請求の処理日程も参考にしてください。
過誤申立でよく確認される項目
保険者へ提出する過誤調整依頼票(取下げ依頼)には、どの請求を取り下げるのかが特定できる情報を正確に記入します。誤りがあると処理が進まないため、次の点を確認します。
具体例で見る過誤〜再請求の流れ
たとえば、4月分の請求で、あるサービスの回数を1回多く請求してしまい、そのまま支払まで確定してしまったとします。この場合、まず保険者へ過誤調整依頼票を提出して該当の請求を取り下げます。通常過誤なら、翌月19日ごろに届く「介護給付費過誤決定通知書」で取下げの完了を確認したうえで、正しい回数に修正した内容で再請求します。取下げが完了する前に再請求すると「既に該当する給付実績が存在しています」というエラーで返戻になるため、必ず過誤決定を確認してから再請求することが重要です。この一連の流れを理解しておくと、あわてず正確に訂正できます。
そもそも過誤を減らすための予防
過誤の手続きは手間がかかり、入金にも影響します。できるだけ過誤が発生しないよう、請求前のチェックを徹底することが大切です。
日々のていねいな確認が、結果として過誤や返戻を減らし、事務の負担軽減につながります。
過誤申立に関するよくある質問
返戻は、審査で誤りが見つかり国保連から差し戻されるものです。過誤は、審査・支払が確定した後に事業所側から誤りを申し立てて取り下げるものです。詳しくは過誤請求と返戻の違いをご覧ください。
国保連ではなく、保険者(市区町村)に「過誤調整依頼票」を提出します。保険者が取りまとめて国保連へ申し立てます。
いいえ。同月過誤に対応しているか、締切日はいつかは保険者によって異なります。使いたい場合は事前に保険者へ確認してください。
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| テーマ | ポイント | 関連記事 |
|---|---|---|
| 過誤の基礎 | 金額訂正の考え方 | 過誤請求とは 国保連から受け取った介護報酬の金額訂正 |
| 過誤と返戻 | よく混同する2つの違い | 過誤請求と返戻の違いとは? |
| 返戻・保留 | 差し戻しの原因と対処 | 返戻と保留の違いとは? |
| 処理日程 | 請求から支払までの基準日 | 国保連合会の介護保険請求の処理日程 |
| 時効 | 再請求の期限(2年) | 介護報酬の請求等の消滅時効について |
2024年・2025年・2026年
介護保険・介護報酬改定の情報
令和6年~8年 地域区分(介護)区市町村の等級一覧(2024年4月~)
介護保険区分支給限度基準額一覧(要支援・要介護)
令和8年(2026年)介護報酬改定
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- 国保中央会運用「LIFE」2026年5月11日〜7月31日に移行作業しないと加算の継続算定できない
令和8年(2026年)介護報酬改定後の介護保険サービスごとの介護報酬・単位数
介護保険の居宅サービス介護給付費単位数(対象:要介護)
- 居宅介護支援費 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 訪問介護費 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 訪問看護費 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
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- 通所リハビリテーション費(デイケア) 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 短期入所生活介護費(ショートステイ) 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
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地域密着型サービスの単位数改定内容
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介護予防サービス(対象:要支援)
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2026年(令和8年度)・2024年 介護報酬改定で特徴的な加算・制度
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- 高齢者虐待防止措置未実施減算の算定要件
- 【2026年版】科学的介護情報システム「LIFE」とは
- 個別機能訓練加算(Ⅰ)サービス種別ごとの単位数・算定要件
利用者負担軽減の仕組みの改定
補足給付(負担限度額認定)に関わる見直しは、以下のとおりです。
令和6年8月1日施行 基準費用額の見直し
令和7年8月1日施行 多床室の室料負担
令和8年8月1日施行 食費基準費用額の1,445円→1,545円、低所得者の食費負担限度額の段階別変更


