介護保険には、第1号被保険者と第2号被保険者という2つの区分けがあります。それぞれの被保険者には、どのような条件があるのでしょうか?以下で説明します。
目次
介護保険制度の被保険者の種類
介護保険制度の被保険者は、第1号被保険者である65歳以上の方と、第2号被保険者である医療保険に加入している40~64歳の方です。
介護保険の第1号被保険者と第2号被保険者とは?
第1号被保険者
第1号被保険者である65歳以上の方は、原因を問わず要支援・要介護状態となった場合に介護保険サービスを受けることができます。
第2号被保険者
第2号被保険者である40~64歳の方は、末期がんや関節リウマチなどの老化による病気が原因で要支援・要介護状態となった場合に介護保険サービスを受けることができます。
介護保険の第1号被保険者と第2号被保険者の比較表
第1号被保険者 | 第2号被保険者 | |
対象者 | 65歳以上 | 40~64歳 |
人数 | 3,579万人 | 4,190万人 |
介護保険給付の受給要件 | ・要介護状態(寝たきり、認知症等で介護が必要な状態) ・要支援状態(日常生活に支援が必要な状態) |
要介護、要支援状態が、 末期がん・関節リウマチ等の加齢に起因する 疾病(特定疾病)による場合に限定 |
要介護もしくは要支援の認定を受けている被保険者の割合 | 669万人(18.7%) | 13万人(0.3%) |
保険料負担 | 市町村が徴収 (原則、年金から天引き) |
医療保険者が医療保険の保険料と 一括徴収 |
第2号被保険者が介護保険給付を受ける条件となる特定疾病とは
「特定疾病」とは、医学的に心身の病的加齢現象と関係があるとされる疾患です。つまり、加齢に伴う心身の変化に起因して、要介護状態になる原因となる心身の障害を引き起こすと認められる疾患のことです。
特定疾病の範囲
介護保険法施行令第2条(平成10年政令第412号)(抄)
- がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靱帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
特定疾病とは 要介護になりやすい16種類の疾患、特定疾患の違い