介護の現場で役立つ電話対応マニュアル

介護の現場で役立つ電話対応マニュアル

電話対応は「施設の顔」

電話は、利用者やご家族、関係機関が施設に最初に触れる接点になることが多く、その対応ひとつで施設全体の印象が決まってしまうことがあります。顔が見えないぶん、声のトーンや言葉遣い、対応の丁寧さがそのまま「この施設は信頼できるか」という評価につながります。介護の現場は忙しく、電話対応が後回しになりがちですが、だからこそ基本を押さえて、誰が出ても一定の品質で応対できるようにしておくことが大切です。

介護の現場では、様々な相手とのコミュニケーションが求められます。特に電話対応は、利用者やその家族、他の関係者とのやりとりで重要な役割を果たしています。このマニュアルでは、介護の現場での電話対応に役立つポイントや注意事項について説明します。マニュアルを参考に、円滑なコミュニケーションを心がけ、利用者や家族からの信頼を得ることができるようになりましょう。

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挨拶と自己紹介

電話を受けたら、まずは明るく丁寧な声で挨拶し、自分の名前と所属を伝えましょう。

例:「いつもお世話になっております、〇〇介護サービスの〇〇と申します。」

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相手の名前と用件を確認

相手の名前を確認し、用件をお伺いしましょう。

例:「お名前とご用件をお伺いしてもよろしいでしょうか?」

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用件に応じた対応

相手の用件に応じて、適切な対応を行いましょう。

A. 介護サービスに関する問い合わせ

サービス内容や料金を説明を求められることがありますが、わからないことはわからないと伝え、必要であれば、相談担当者や管理者等につなぐ。

B. 利用者の家族からの連絡

状況や要望を確認し、適切な対応を検討する。
必要に応じて、担当者に報告や連絡をする。

C. 緊急事態(事故や急病)

状況を確認し、緊急連絡先や手順を案内する。
必要であれば、救急や警察などへの連絡をサポートする。

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メモを取る

電話対応中、相手からの情報や要望をメモに記録しましょう。後で報告や連絡が必要な場合、忘れずに対応できるようにするためです。

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確認とお礼

最後に、相手の要望や情報を確認し、お礼を言いましょう。

例:「ご要望やお問い合わせ内容を確認させていただきました。お手数をおかけいたしますが、何かご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。本日はありがとうございました。」

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電話を切る前に挨拶

電話を切る前に、改めて丁寧な挨拶をしましょう。
例:「それでは失礼いたします。どうぞよろしくお願いいたします。」

電話は3コール以内に出るのが基本

電話対応は施設の第一印象を左右します。3コール以内に出るのが基本で、それを超えたら「大変お待たせいたしました」と一言添えます。第一声は明るくはっきりと名乗りましょう。

  • 3コール以内:「お電話ありがとうございます。〇〇(施設名)の△△が承ります」
  • 3コール以上:「大変お待たせいたしました。〇〇の△△です」
  • 相手が名乗ったら「いつもお世話になっております」と返す。

取り次ぎ・保留のマナー

担当者へ取り次ぐときは、無言でいきなり保留にしないことが大切です。待たせることを一言告げてから保留にします。

  • 「〇〇におつなぎしますので、少々お待ちください」と伝えてから保留にする。
  • 保留が長くなりそうなときは、いったん出て「お時間がかかりそうです。折り返しでもよろしいでしょうか」と確認する。
  • 取り次ぐ相手に、誰から・どんな用件かを簡潔に伝える。
  • 担当者が不在のときは、戻り時間を伝え、伝言・折り返しの希望を確認する。

電話でよく使う言い換え(クッション言葉)

少し言い方を変えるだけで、印象が丁寧になります。とっさに出るよう、基本の言い換えを覚えておきましょう。

ふだんの言い方電話での丁寧な言い方
誰ですか?恐れ入りますが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか
ちょっと待って少々お待ちいただけますでしょうか
分かりません私では分かりかねますので、担当の者に確認いたします
できませんいたしかねます/〇〇であれば対応できます
すみません恐れ入ります/申し訳ございません

こちらから電話をかけるときのマナー

  • 時間帯に配慮する:早朝・夜間、食事や忙しい時間帯は避ける。
  • かける前に用件を整理し、伝えることをメモしておく。
  • 「〇〇の△△です。いま3分ほどお時間よろしいでしょうか」と、名乗り+都合の確認から入る。
  • 要点を先に伝え、最後に復唱して認識のずれを防ぐ。

クレーム・苦情の電話への対応

苦情の電話は、まず相手の話を最後まで遮らずに聞くことが基本です。相手は興奮していることが多いため、言葉遣いや態度に細心の注意を払います。

  • 話に割り込まず、何に不満を感じているのかを正確に把握する。
  • 相手の気持ちに寄り添い、不快な思いをさせたことにまず謝罪する。
  • 事実確認が必要な内容は、その場で断定せず「確認して折り返します」と伝える。
  • 対応内容は記録し、上司・チームに共有する。

苦情対応の詳しい流れは介護での苦情・クレーム対応マニュアル、悪質なケースはカスタマーハラスメント対策もご覧ください。

ご家族への電話報告のコツ

体調変化や事故などをご家族へ電話報告するときは、相手が不安にならないよう、事実を簡潔・正確に伝えます。「いつ・何が・どうなったか・現在どうか・今後どうするか」を整理してから電話しましょう。メモを取りながら、聞いた内容も5W1Hで残します。

電話対応で押さえたい基本の心構え

  • 明るく・はっきり・ていねいに:口角を上げて話すと、声も明るく聞こえる。
  • 正確に聞き取る:あいまいなまま進めず、復唱して確認する。
  • 個人情報に配慮する:利用者の情報は、相手が誰かを確認してから話す。
  • 「施設の代表」として応対する:自分個人ではなく、施設を背負っているという意識を持つ。

敬語の基本を押さえる

電話対応では、とっさに正しい敬語が出るかどうかが問われます。尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い分けの基本を確認しておきましょう。

種類使い方
尊敬語相手の動作を高める言う→おっしゃる、来る→いらっしゃる
謙譲語自分や身内の動作をへりくだる言う→申す、行く→伺う
丁寧語語尾を丁寧にするです・ます・ございます

よくある間違いに、身内(自施設の職員)に敬語を使ってしまう「二重敬語」や「身内敬語」があります。外部の方に対しては、自施設の職員は呼び捨て(「〇〇は席を外しております」)にするのが正しい使い方です。言葉遣い全般は介護の現場で役立つ言葉遣いマニュアルもご覧ください。

伝言メモは「5W1H」で残す

取り次げなかったときや、担当者への伝言を預かったときは、後から見て誰でも対応できるように、5W1H(いつ・誰が・誰に・何を・なぜ・どうする)を意識してメモに残します。とくに「いつ電話があったか」「相手の名前と連絡先」「折り返しが必要か」は必ず記録します。口頭だけの伝達は、伝え漏れや行き違いのもとになります。

  • 受けた日時と、対応した自分の名前
  • 相手の氏名・所属・電話番号
  • 用件の要点
  • 折り返しの要否と、希望の時間帯

携帯電話・メールでの連絡の注意

近年は、ご家族との連絡に携帯電話やメール、連絡アプリを使う施設も増えています。便利な一方で、個人情報の取り扱いには特に注意が必要です。利用者の状態や個人情報を送る際は、宛先の間違いがないか十分に確認し、施設のルールに沿って行います。文章で残る連絡は、後で「言った・言わない」を防げる利点がありますが、冷たい印象にならないよう、丁寧な言葉遣いを心がけます。

状況別の電話対応

電話の用件はさまざまです。よくある場面ごとに、対応のポイントを押さえておきましょう。

場面対応のポイント
サービスの問い合わせ分かる範囲で丁寧に答え、判断が必要なことは担当者・管理者に取り次ぐ
ご家族からの連絡用件と要望を正確に確認し、必要に応じて担当者へ報告・連絡する
緊急・急変の連絡落ち着いて状況を確認し、必要な手順や連絡先を案内する
営業・勧誘の電話用件を確認し、担当や方針を伝えて丁寧にお断りする

緊急時の連絡や急変への備えは介護施設・介護サービスで急変の利用者が発生した時の緊急時対応マニュアルもあわせてご確認ください。

電話を切るときのマナー

電話は、切り方にも印象が表れます。用件が済んだら、内容を復唱して確認し、「お電話ありがとうございました」「失礼いたします」とあいさつをします。基本は、かけた側から先に切るのがマナーですが、相手が目上やお客様の場合は、相手が切るのを待ってから、受話器を静かに置きます。ガチャンと乱暴に切ると、それまでの丁寧な対応が台無しになってしまうため、最後まで気を抜かないことが大切です。携帯電話の場合も、相手が切るのを確認してから通話を終えると丁寧です。

電話対応は練習で上達する

電話対応は、知識として知っているだけでなく、実際に声に出して練習することで身につきます。よく使うフレーズや、施設名を含めた第一声を、日頃から口に出して慣れておくと、いざというときにスムーズに応対できます。新人の教育では、ロールプレイ(模擬電話)を取り入れると効果的です。最初は緊張しても、場数を踏むうちに落ち着いて対応できるようになります。丁寧な電話対応ができる職員が増えることは、施設全体の信頼につながります。

電話対応に関するよくある質問

Q
相手の名前が聞き取れなかったときは?
A

「恐れ入りますが、もう一度お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」と丁寧に聞き直します。あいまいなまま取り次ぐと、後のトラブルにつながります。

Q
担当者が不在のときはどうすればよいですか?
A

戻り予定の時間を伝え、「折り返しご連絡いたしましょうか」と確認します。用件・連絡先・希望の時間帯をメモして担当者に確実に伝えます。

Q
クレームの電話で、その場で答えられない内容を聞かれたら?
A

無理に即答せず、「確認のうえ、改めてご連絡いたします」と伝えます。あいまいな回答や約束は、さらなる不信を招くため避けます。

まとめ

介護の現場での電話対応マニュアルでは、明るく丁寧な挨拶と自己紹介から始め、相手の名前と用件を確認しましょう。用件に応じた対応を行い、最後に確認とお礼を述べることで円滑なコミュニケーションが可能となります。

2024年・2025年・2026年
介護保険・介護報酬改定の情報

令和6年~8年 地域区分(介護)区市町村の等級一覧(2024年4月~)

介護保険区分支給限度基準額一覧(要支援・要介護)

令和8年(2026年)介護報酬改定

令和8年(2026年)介護報酬改定後の介護保険サービスごとの介護報酬・単位数

介護保険の居宅サービス介護給付費単位数(対象:要介護)

地域密着型サービスの単位数改定内容

介護予防サービス(対象:要支援)

2026年(令和8年度)・2024年 介護報酬改定で特徴的な加算・制度

利用者負担軽減の仕組みの改定

補足給付(負担限度額認定)に関わる見直しは、以下のとおりです。

令和6年8月1日施行 基準費用額の見直し

令和7年8月1日施行 多床室の室料負担

令和8年8月1日施行 食費基準費用額の1,445円→1,545円、低所得者の食費負担限度額の段階別変更

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