月遅れ請求とは?できる条件・期限・手順をわかりやすく解説

月遅れ請求とは?できる条件・期限・手順をわかりやすく解説

介護保険の請求業務では、サービスを提供した月の翌月1日から10日までに国保連へ請求するのが原則です。しかし実務では、この期限内に請求できないケースが生じることがあります。そのような場合に行うのが「月遅れ請求」です。

月遅れ請求は例外的な扱いと思われがちですが、要介護認定の結果待ちや返戻への対応など、現場では珍しくない状況です。この記事では、月遅れ請求の意味・発生する主な原因・請求できる期限・実際の手順を整理して解説します。

月遅れ請求とは

月遅れ請求とは、サービスを提供した月の翌月10日までに請求できなかった分を、翌々月以降に遅れて請求することです。介護保険法上、介護報酬の請求は期限を過ぎても一定期間内であれば受け付けられます。

通常の請求サイクルでは「10月提供分→11月10日までに請求→12月末に支払い」となりますが、月遅れ請求では請求のタイミングがずれるため、支払いもその分遅くなります。

事業所の資金繰りに影響することもあるため、月遅れ請求が生じた場合は速やかに対処することが重要です。

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月遅れ請求が発生する主な原因

月遅れ請求が必要になる状況はさまざまです。現場でよく見られる主な原因を以下に整理します。

原因具体的な状況
要介護認定の結果が間に合わない認定申請中または区分変更申請中の利用者で、サービス提供月内に認定結果が出なかった場合
返戻が発生した国保連から明細書が返戻され、修正・再提出が翌月以降になった場合
給付管理票が未提出・保留だったケアマネジャーの給付管理票が期限内に提出されず、翌月以降に解消された場合
請求漏れが発覚した過去のサービス提供分の請求が漏れていたことに後から気づいた場合
入力ミス・システムトラブル請求データの作成ミスや請求ソフトの不具合により期限内に送信できなかった場合
利用者情報の更新が遅れた負担割合の変更や保険証の切り替えが確認できず、正確な請求ができなかった場合

このうち特に多いのが、要介護認定の結果待ちによるものです。新規申請や区分変更申請中の利用者にサービスを提供していても、認定結果が出るまでは正式な要介護度が確定しないため、認定通知が届いてから月遅れで請求するケースが多く発生します。

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月遅れ請求ができる期限(時効)

介護報酬の請求権には2年間の消滅時効が定められています(介護保険法第200条)。サービスを提供した日の翌日を起算日として2年間が経過すると、請求権が消滅し、介護報酬を受け取ることができなくなります。

項目内容
時効の期間2年間
起算日サービスを提供した日の翌日
根拠法令介護保険法第200条
時効後の請求原則として受け付けられない

2年という期間は比較的長く感じるかもしれませんが、請求漏れに気づかないまま時間が経過するケースもあります。定期的に請求状況を確認し、未請求の月がないかチェックする習慣をつけておくことが大切です。

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月遅れ請求の手順

通常の月遅れ請求(返戻・請求漏れ等の場合)

返戻への対応や請求漏れが発覚した場合の月遅れ請求は、基本的に通常の請求と同じ手順で行います。介護請求ソフトで対象月のサービス内容を確認・修正し、請求データを作成して翌月の請求期間(1日〜10日)に国保連へ電子送信します。

請求データには、実際にサービスを提供した月(サービス提供年月)を正確に入力します。当月分の請求と月遅れ請求を同時に送信することも可能ですが、対象月を誤らないよう注意が必要です。

要介護認定の結果待ちによる月遅れ請求

新規申請や区分変更申請中の利用者については、認定結果が出るまで正式な要介護度が確定しないため、以下の流れで対応します。

ステップ内容
① サービス提供の継続申請中であっても、暫定ケアプランに基づいてサービスを提供する
② 認定結果の確認認定通知が届いたら、要介護度・認定有効期間・認定日を確認する
③ 請求データの作成確定した要介護度をもとに、サービス提供月分の明細書を作成する
④ 給付管理票の確認ケアマネジャーが給付管理票を提出済みか確認し、未提出の場合は速やかな提出を依頼する
⑤ 月遅れ請求の送信次の請求期間(翌月1〜10日)に国保連へ送信する

認定申請中に提供したサービスが、認定結果として「非該当(自立)」となった場合は介護保険の給付対象外となります。このケースでは費用を利用者に全額請求するか、あるいは負担をどうするかについて、利用者・家族と事前に取り決めておくことが重要です。暫定ケアプランを作成する際には、認定結果によって費用負担が変わる可能性を利用者・家族に説明し、同意を得ておくことがトラブル防止につながります。

ケアマネジャー側の月遅れ請求(給付管理票)

ケアマネジャーが給付管理票を期限内に提出できなかった場合も、翌月以降に月遅れで提出することができます。給付管理票の提出が遅れると、サービス事業所の明細書が保留のままとなるため、できる限り早急に対応します。

給付管理票を月遅れで提出する際は、対象のサービス提供年月を正確に入力し、通常の請求期間内(翌月1〜10日)に送信します。既に保留中の明細書は、給付管理票の突合が完了した翌月以降に支払われます。

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月遅れ請求が続く場合のリスク

月遅れ請求が慢性的に発生している事業所は、介護報酬の入金が常にずれ込む状態となり、資金繰りに悪影響を及ぼします。また、請求漏れが積み重なると2年の時効内に回収できなくなるリスクもあります。

月遅れ請求が繰り返し発生している場合は、その原因を分析し、業務フローを見直すことが必要です。要介護認定の申請状況の管理が不十分であれば認定期限の一元管理を行い、返戻が多い場合は請求前のチェック体制を強化するなど、根本的な対策を講じることが重要です。

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まとめ

月遅れ請求は、サービス提供月の翌月10日までに請求できなかった分を翌々月以降に行う請求のことです。要介護認定の結果待ちや返戻への対応など、現場では避けられない場面で発生します。請求権の時効は2年間のため、未請求に気づいた場合は速やかに対応することが必要です。

月遅れ請求の手順は通常の請求と基本的に同じですが、サービス提供年月の入力を正確に行うことと、ケアマネジャーとの給付管理票の連携を確認することが対応のポイントです。月遅れ請求が繰り返し発生している場合は、業務フローの見直しと管理体制の強化を検討してください。

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