サービス提供票・実績票とは?書き方と提出の流れをわかりやすく解説

在宅生活の方に居宅サービスとして介護保険のサービスに入る場合、請求業務において、「サービス提供票」と「実績票」は毎月必ず発生する書類です。

現場では「提供票」「実績」などと略して呼ばれることも多いですが、「誰が何をいつまでに作るのか」「何のために使う書類なのか」が曖昧なまま業務をこなしているケースも少なくありません。

「サービス提供票・実績表」のやり取りは、あくまで「居宅ケアマネ」と「外部のサービス事業所(デイ・訪問・福祉用具など)」の間で発生する、在宅特有の業務です。

この記事では、サービス提供票と実績票の基本的な役割から、各項目の書き方、ケアマネジャーとサービス事業所それぞれの実務上のポイントまで整理して解説します。

サービス提供票・実績票とは

2種類の書類の役割

「サービス提供票」には、ひと月の予定実績の2種類があります。正式名称と役割は以下のとおりです。

名称 正式な位置づけ 役割
サービス提供票(予定票) 居宅サービス計画書(第6表)に相当 その月に予定しているサービスの内容・日程・時間をサービス事業所に伝える書類
サービス提供票別表 居宅サービス計画書(第7表)に相当 利用者ごとの各サービスの単位数・限度額管理の状況を示す書類
実績票(サービス提供票の実績欄) 上記の実績版 実際に提供されたサービスの内容・日時を記録した書類。国保連請求の根拠となる

予定票はケアマネジャーが作成・配付し、実績票はサービス事業所が実績を記入してケアマネジャーへ返送するという流れが基本です。

誰が作るのか

書類 作成者
サービス提供票(予定) 居宅介護支援事業所のケアマネジャー
サービス提供票(実績記入) 各サービス事業所(記入後ケアマネへ返送)
サービス提供票別表 ケアマネジャー

サービス提供票が必要な理由

サービス提供票は、単なる「スケジュール表」ではありません。介護保険の給付管理に直結する重要な書類です。

ケアマネジャーが国保連に提出する給付管理票は、このサービス提供票の実績をもとに作成されます。そして給付管理票は、各サービス事業所が提出するレセプト(介護給付費明細書)と突合されることで、介護報酬の支払いが確定します。

つまり、サービス提供票の実績が正確でなければ、給付管理票も正確に作れず、最終的にサービス事業所の介護報酬が支払われないという連鎖が起きます。

なぜ施設介護では「提供票・実績表」のやり取りがないのか?

居宅介護(在宅)と施設介護では、「誰がサービスを管理しているか」の構造が根本的に異なります。

居宅介護(在宅)の場合は分業制

居宅ケアマネが計画(提供票)を立て、外部のヘルパー事業所やデイサービスに仕事を依頼します。

「予定通りにやってくれたか?」を確認して給付管理をする必要があるため、事業所をまたいだ提供票・実績表の交換が必須になります。

施設介護の場合は、自分の施設で自己完結型

施設ケアマネが計画を立て、同じ施設内のスタッフがサービスを提供します。

計画も実施も同じ組織内(一つの介護ソフト内)で完結しているため、外部に「予定」を送ったり、外部から「実績」を回収したりする必要がありません。

施設介護で使われる書類は?

施設介護でも「計画」と「記録」は当然必要ですが、呼び方や役割が少し異なります。

項目 居宅介護(在宅) 施設介護
計画書 居宅サービス計画書(1表〜3表) 施設サービス計画書(1表〜3表)
スケジュール サービス提供票(予定) 日課表、ケアチェック表など
実施の証明 サービス提供票(実績) 介護記録(ケース記録)
請求の仕組み ケアマネが実績をまとめて給付管理 施設が提供した分を直接まるごと請求

サービス提供票(予定票)の主な記載項目と書き方

基本情報欄

項目 記載内容・注意点
被保険者番号 介護保険証の番号を正確に転記する(1桁のミスが返戻につながる)
利用者氏名・生年月日 介護保険証と完全に一致させる
保険者名・保険者番号 利用者の住所地の市区町村
居宅介護支援事業所名・番号 自事業所の情報
担当ケアマネジャー名 担当者の氏名
サービス提供年月 対象の月(例:2024年10月)
要介護状態区分 最新の認定情報をもとに記載(変更申請中は注意が必要)

サービス内容欄(日程・時間)

項目 記載内容・注意点
事業所名・事業所番号 サービスを提供する事業所ごとに記載
サービス種別 訪問介護、通所介護など、提供するサービスの種類
提供日・曜日 その月に予定している日付をすべて記載
開始時刻・終了時刻 訪問介護など時間が報酬に影響するサービスは正確に
提供回数 月の合計予定回数

サービス提供票別表(単位数管理)

別表には、各サービスの予定単位数と、区分支給限度額に対してどの程度使用しているかを記載します。限度額内と限度額外のサービスを区分して管理することが重要です。

実績票の書き方と返送のルール

実績の記入方法

サービス事業所は、月末までに実際に提供したサービスの実績を提供票の所定欄に記入します。記入する主な内容は以下のとおりです。

  • 実際にサービスを提供した日(予定日から変更があった場合は修正)
  • 実際の提供時間(訪問介護など時間が重要なサービス)
  • キャンセルになった日は空欄またはキャンセル理由を記録

「予定どおり実施した」場合でも、サービス事業所が実績欄に記入・確認を行うことが必要です。実績記入のないまま返送されたり、押印なしで送られてきたりするケースは、ケアマネジャーが確認の連絡を取る必要があります。

返送期限の目安

実績票の返送期限は法令で厳密に定められているわけではありませんが、ケアマネジャーが給付管理票を作成して毎月10日までに国保連へ提出することを逆算すると、実質的には月末〜翌月5日頃までに返送されている必要があります。

事業所間の関係性のなかで、返送期限を事前に取り決めておくことが円滑な請求業務につながります。

ケアマネジャーの実務フロー

時期 作業内容
当月中(毎月20〜25日頃) 翌月分のサービス提供票(予定)を作成し、各サービス事業所へ送付
当月末〜翌月1〜5日 各事業所から実績票を回収
翌月5〜8日 実績をもとに給付管理票を作成・確認
翌月10日まで 国保連へ給付管理票を電子送信

予定票の送付が遅れると、事業所側のスケジュール管理に支障をきたし、実績回収も遅れる悪循環になります。毎月決まったタイミングで送付できるよう、業務の型を作ることが重要です。

サービス事業所の実務フロー

時期 作業内容
翌月初め(ケアマネから予定票を受領後) 予定票をもとに自事業所のスケジュールを確認・調整
サービス提供の都度 記録(介護記録・サービス提供記録)を残す
月末〜翌月初め サービス提供票の実績欄に記入して押印し、ケアマネへ返送
翌月1〜10日 実績をもとにレセプト(介護給付費明細書)を作成・国保連へ提出

よくあるトラブルと対処法

トラブル 主な原因 対処法
実績票が返送されない 事業所の連絡体制・締め日のズレ 事前に返送期限を取り決めておく。期限を過ぎた場合は電話確認
予定と実績の日数が大きく異なる キャンセルの連絡漏れ・記録ミス 月中から変更情報を共有する仕組みをつくる
事業所番号の誤記 旧番号の使用・入力ミス 毎年度初めに各事業所の番号を確認・更新する
単位数の不一致 加算の反映漏れ・サービス変更の未反映 実績確認時に事業所と単位数を照合する
認定期限切れ・区分変更中の請求 更新申請・変更申請中の管理漏れ 認定有効期限をカレンダー等で管理し早めに対応

実績票と介護記録の関係

実績票に記載されたサービス実績は、介護記録(サービス提供記録)と一致している必要があります。実地指導では、実績票と介護記録の日付・内容が一致しているかが確認されます。

「記録はあるが実績票に反映されていない」「実績票には記録されているが介護記録がない」といった不一致は、不正請求と見なされるリスクがあります。日々の記録管理とあわせて、月末に照合の習慣をつけることが大切です。

まとめ

サービス提供票(予定票)はケアマネジャーが作成して各事業所へ送付し、実績票はサービス事業所が記入してケアマネジャーへ返送します。この一連の流れが毎月の給付管理票・レセプト作成の根拠となり、介護報酬の支払いにつながります。

実績の正確な記録と期限内の返送・提出が、事業所の安定した収入と適正な請求業務の基本です。ケアマネジャー・サービス事業所双方が連携し、月次サイクルをしっかり回すことが請求エラーの防止に直結します。

2024年4月・6月、2026年 介護報酬改定の情報

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令和6年~8年 地域区分(介護)区市町村の等級一覧(2024年4月~)

介護保険区分支給限度基準額一覧(要支援・要介護)

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令和6年度介護報酬改定では、4月に変更となる内容と、6月に変更になる内容があります。例えば、訪問介護費の場合、基本報酬部分は4月から、処遇改善加算等は6月から変更という2段階での変更が生じることがあります。詳細は各記事に添付している厚生労働省のサイトからご確認ください。

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