要介護状態の方や片麻痺がある方など更衣動作(着替え)の介助は十分な注意が必要です。更衣動作を介助する時の方法について紹介します。
目次
着衣する時は患側が先、麻痺のある側から行う
シャツや服を着る時、ズボンやパンツを履くときなど、もしも片側に麻痺や怪我の後遺症などがある時には、患側(麻痺側)から先に行います。
丸首の下着やTシャツを自立して着る場合の見守り方法
下着や T シャツを着ることに関しては障害があったとしても自分で自立して行おうという場合もあるためその場合には介護者は適切な方法を前提に入れつつその人に合った方法で見守りを行います。
- 片麻痺などで片側に麻痺などの障害がある場合に、自分で下着や T シャツを着る場合には、患側の手を袖に通し、健側の手でシャツを持って引き上げてきます。
- シャツに袖を通したら、健側の手でシャツを引き上げて頭を通します。
- 患側と頭が通ったら、最後に健側をシャツの袖に通します。
- 健側でシャツを整えて完了です。
丸首の下着やTシャツを着る場合の介助方法
下着や T シャツを自立して着る場合のみ終わり方法で紹介した手順で部分的に自分で出来ない部分がある場合には介護者が介助を行います。自立支援の姿勢で利用者に接する場合には、どこが自分でできて床が自分でできないのかということを考えながら介助を行っていきます。
前開きのワイシャツやネルシャツを自立して着る場合の見守り方法
- ワイシャツやネルシャツなど前が開きボタンで留めるようなタイプの衣類を着用する時にも、原則は麻痺などのある患側側を先に袖に通します。
- 患側側の上肢が袖に通ったら、健側の手で背中側にシャツを羽織ります。
- シャツが羽織れたら、健側の手の袖を通します。
- 健側の手で衣類を整え、シャツのボタンを留めていきます。
ボタンを留めることが難しい場合には、あらかじめいくつかのボタンを留めておき、T シャツを着る場合と同じように着衣するような方法もあります。またボタンを留めるための自助具もありますので、自立の支援をする場合には導入を検討するのも良いでしょう。
前開きのワイシャツやネルシャツを着る際の更衣介助
前びらきのワイシャツやネルシャツを着る際の更衣介助としては、自立支援の観点からは自分でできる部分とできない部分を見極めてできないところを声かけしながら解除していくという方法が望ましいです。
ズボンやパンツを自立して履く場合の見守り方法
ズボンやパンツを履く場合、片側に麻痺がある時には上着と同じように患側の足(麻痺側の足)から先に通すということが原則になります。今回は椅子に座った姿勢が保てる方で、ズボンを履く場合の方法を紹介していきます。
- 仮に左上下肢が麻痺の場合には、麻痺側である左足の脚を、健側である右手で引き寄せて、ももの上で少しずつ麻痺側の足をズボンに通していきます。
- 麻痺側の足がある程度ズボンに入ったら、次に健側の足をズボンに入れて通していきます。
- ズボンが太ももあたりまで上がった状態になったら、お尻の位置を少しずつずらしながらズボンをお尻に通していきます。
ズボンやパンツを履くときの介助方法
ズボンを履く時の介助方法としては、見守りの時の方法の中でご自身でできない部分を介助するという姿勢になります。ズボンが両足に通った時にお尻をずらしながらズボンを少しずつお尻に通していくという方法もありますが、立ち上がりが可能な利用者の場合には、介助を行う場合には前に台や椅子を置き、立ち上がりお尻を持ち上げてもらいズボンを介助者があげてからまた着座してもらうという方法もあります。
自立支援の観点で更衣介助・着替えを見守ることが大切
ご利用者にとって着替えをするということはさっぱりと気持ちいいものですし、気分も変わる大切な日常生活のひとつです。ベッドに寝かせたままでささっと更衣介助して全介助で着替えてしてしまうこともできますが、日常的に必要な行為の一つであるからこそご自身でできる文は行なってもらうということが大切です。特に着替えというのは手の動きや足の動き、座位のバランスや立位など、色々な体の機能を使いますし、衣類を自分で選ぶということも行えるようでしたら自己選択でその人らしい1日を送れるきっかけになるかもしれません。
ちょっとした着替えかもしれませんが介護の場面では今回紹介したような視点を持って行うことができると良いかもしれませんね。